思考のかけら

日々頭に浮かんだことを、徒然に雑然と書いていきます。

思い出

ポーチの女の子

丸太の腰掛けに家族三人が座ろうとしている。父と子ども二人である。小さい方の男の子が、勢いよく丸太に腰を落として背中から転げ落ちる。少し頭を打ったようである。後ろで座っている中年女性が、ああ、と言って心配そうな顔をする。男の子は泣き出そうと…

好きな人との日直当番

ふと中学生の頃を思い出す。 私の学校では毎日、日直当番というものがあった。授業の開始時に号令をかけたり、休み時間の間に黒板を掃除したり、クラスの一日を日誌にまとめたりするのが主な仕事だった。この当番はいつも男女ペアとなるように、それぞれが名…

一日だけ生きたあの子へ

お前が生まれたあの日、空には雲一つなくて、太陽がきらきら輝いていたよ。 あんなに晴れた空を見るのは初めてだったかもしれない。 お前にも見せてあげたかったな。 お前は予定よりもかなり早く生まれたね。 お前の母さんはせっかちだけど、やっぱりお前も…

さよなら先輩

私がここに来てから、たくさんの季節が過ぎて行きました。 今私が座っている席は、私が初めてここに来た時にあなたが座っていた席です。 これまでたくさんの人が出入りして、その度に少しずつ席も替わっていきましたね。 季節も巡って、ついにあなたの出て行…