思考のかけら

日々頭に浮かんだことを、徒然に雑然と書いていきます。

観察記

東京観察記①

東京駅までは新幹線で数時間だった。新幹線での旅は旅とは言い難く、単なる移動だと感じた。窓側の席から、外を次々と流れ去る風景を見ていても、ある時には田舎の殺風景な、ある時には都会のごみごみした街並が代わる代わるやってくるばかりで、取り立てて…

指揮する少年

朝のうちに空を覆っていた灰色の厚い雲が穏やかな風と共にちぎれ行き、陽の光がその隙間から少しずつ差し込むようになった午後の時間、片側一車線の車通りの少ない道路をゆっくりと一人歩いていたところ、後ろから一台の自転車が若々しい足取りで走ってきた…