思考のかけら

日々頭に浮かんだことを、徒然に雑然と書いていきます。

結婚式と結婚生活

結婚とは、人生における一大事である。

 

大抵の人は、その人生において一回できるかできないかといった、まさに一つの大きな出来事である。

それゆえ大抵の人は相手を慎重に選び、まさにこの人だ、と思える人と結婚する。

 

 

結婚するにあたり、多くの人は式を挙げる。いわゆる結婚式である。

この結婚式ほどに幸福に満ち溢れた空間は、地球上にどれだけあるだろうか。

 

 

沢山の人々にひたすらに祝福され、暇さえあればお互いに愛する人の顔をチラチラ見ては微笑んで、何もするにも笑顔を見せずにはいられない、まさに幸福とはこのことだと言わんばかりの空間である。

 

 

この先二人がどれほどいがみあおうと、仲違いしようと、はたまた事情により別れることになったとしても、二人が多くの人に祝福されて幸せだったこの日のことは、決して忘れることはないだろう。

 

 

結婚する多くの人は、上のような幸せな「結婚式 」を体験することができる。

 

では式の先にある「結婚生活」についても同じように言えるかというと、これはそうとも言えないようである。

 

 

居酒屋に行けば、必ずと言っていいほど結婚生活の話題が、背後や横や向かいの席から聞こえてくる。

 

結婚して間もない若い人や、十年ほど続いていそうな人、子供も独り立ちして夫婦だけになった人、昔を思い出すことに楽しみを見出す老人など、実に様々な年齢層の人々が、その生活についてあれこれ論じている。 

 

その人々の話に少し耳をそばだててみると、どうやら結婚生活も千差万別で、果たしてこれは幸せなのか、幸せでないのか、判断も難しい。 

 

若い男性が、嫁が全然家事をしてくれない、弁当も作ってくれない、とぼやきながら、その都度動かす口元は、なにやら嬉しそうに終始微笑んでいる。

 

中年女性集団が、自分の旦那のくだらない趣味の話を中心に盛り上がり、それぞれが自分の旦那が一番ひどいと言いたげに身を乗り出している。

 

老人が、昔は相手を選べずに親に決められた結婚だった、そんなに顔も好みじゃなかった、でも思い返してみれば結婚してよかったと思う、と言いながら、同じような老人相手に酒を口に運びながらつぶやく。

 

 

どうやら結婚生活とは、どんな年齢層の人間にとっても、日々常に気にかかるものらしい。

二人が結婚している状態が続く限り、この生活に終わりはないのだから、来る日も来る日も気にかかるのだろう。

 

 

自分の結婚生活が幸せなものであるかどうかは、長い年月を経た先でようやくわかるものであるに違いない。

 

 

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