思考のかけら

日々頭に浮かんだことを、徒然に雑然と書いていきます。

私的名画⑥ ルノワール「二人の姉妹」

自分のための備忘録として、好きな絵に対する思いを残しておこう。
今回で私的名画に関する記事は終了である。

 

本日掲載するのは、ルノワールによる「二人の姉妹」である。

 

f:id:ame-youkan:20171110211208j:plain

 

 

私はこの絵の詳細は何も知らず、この姉妹が誰なのかも知らない。
ただいつも純粋に「いいなあ」と思いながら見ているだけである。

大人の女性の美しさと、幼い女の子のあどけない可愛さがマッチしていて、とても平和な図だと思う。
この女性は流し目でどこかを見ているのだが、こちらを見てくれていないところがまた「いいなあ」と感じるポイントである。
ただ具体的にどんな風に「いいなあ」なのかは、私自身よくわからない。

 

学生の頃、近所にワンコインで入れる美術館のようなものがあった。
もちろん実物ではなく複製を展示しているのだけれど、安くて近いこともあってたびたび通っていた。
展示されている絵はいつ見ても変わり映えはしなかったが、お目当てはいつもこの姉妹の絵だった。

一人で見に行ったり、二人で見に行ったり、三人以上で見に行ったりもした。色々な人にこの絵を案内した。
案内していたのも、自分はこんないい絵をワンコインで見ているんだよ、と自慢したかっただけかもしれない。
こんなことを書きながら、その頃の情景を思い出して少しノスタルジックな気分に浸っているけれど、やはりそれを見ていた時の自分を思い出させてくれる絵というのは、素敵な絵だと思う。

 

世界にとっての永遠の微笑みはモナリザのようだが、私にとっての永遠の微笑みはこの女性である。
思い出により美化されているのかもしれないが、それでいいのだと思う。