思考のかけら

日々頭に浮かんだことを、徒然に雑然と書いていきます。

メモ帳21

底の見えない真っ暗闇の海の中で、ジタバタと立ち泳ぎしている自分を見つける。足がつりそうになるのを必死に堪えながら、水面から顔を出してすんでのところで息継ぎをする。足が疲れたらまた少し溺れて水面下に落ちる。このまま溺れ続ければどれだけ楽かという想像が頭をよぎるものの、未知の苦痛への恐怖がその度に呼び起こされ、もう出ないはずの涙を瞼に溜めて、空気を求めて再びもがき顔を出す。

時々海面に木の板が流れてくるのでそれに掴まる。少しだけ空や水平線を見る余裕が生まれる。晴れの日は喉が乾く。曇りの日はどっちつかずの心が雲に揺れて心細い。雨の日は目も開けていられない。雨雫が顔を打ち、目元を流れ続ける一筋が涙なのか雨なのかわからなくなる。雨水を飲もうとして口を開けても入ってくれない。口を開いているだけで余計に喉が乾く。ようやく相手をしてくれた一滴の雨に感謝を捧げて口を閉じる。喉を通った雨が涙に変わって頰を伝う。