思考のかけら

日々頭に浮かんだことを、徒然に雑然と書いていきます。

2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

老師との対話「種蒔き①」

老師 おはよう。こんな朝早くに呼び起こして申し訳ないと思っているんだが、取り急ぎどうしても君の意見を聞きたくなったのだ。今すぐでなければ、私の考えが頭からするりと逃げ出してしまいそうなのだ。 若者 おはようございます。珍しいこともあるものです…

老師との対話「砂つぶ」

若者 老師さま、私には悩みがあるのです。 老師 何でも話してくれたまえ。年寄りの一番の楽しみは、若い人の話し相手になることなのだから。 若者 ありがとうございます。最近特に思うことがあるのです。それは、私は結局何者にもなれないのではないか、とい…

マンホール

よく雨が降った日の翌日のホームルームで、太郎の在籍する3年2組の担任教師である南は、いつも生徒に見せる和やかな笑顔を浮かべながら全員に向かって話した。 「昨日はすごい大雨でした。土砂降りで洪水のような日は、マンホールが開いてしまうこともありま…

初詣

年が明けて頭に浮かぶ共通の大行事としては、初詣がまず挙げられる。日頃は信心深くない大多数の日本人も、この時期は皆で示し合わせたかのように神を信じるか、信じているような気になる。 よしんば全く神を信じていなくとも、初詣という行為自体に意味を見…