思考のかけら

日々頭に浮かんだことを、徒然に雑然と書いていきます。

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

女の歳

[31歳] 自分の年齢を示すような数字には敏感である。 カレンダーを見ると、1から31まで数字が振られている。19日までの日付を見ても、自分には全く関係のないものに思われる。しかし、20日から先は違う。この20という数字からは、汚してはならない神聖な光…

花嫁の日記

○月○日 今日は初めて彼をお父さんに紹介した。お父さんは黙って突っ立ってただけ。 彼の家柄の話をしても、「金持ちの相手はできへんで」って何度も言う。うちだって普通の家庭なのに。 ○月○日 彼のご両親との初顔合わせ。都内のホテルで。お父さんはスーツ…

嵐が丘への感謝

私が愛する小説の一つに、エミリー・ブロンテがこの世に残してくれた唯一の長編小説、「嵐が丘」がある。 この作品を初めて読み終えた時、落雷に脳天を貫かれるような衝撃があった。形容しがたいあるものが身体を通り抜けたと感じた。しかしそれが何なのかわ…

鳩の拾い食い

夏に向けて日に日にその力を蓄えつつある太陽が、一切の雲を寄せ付けずカラリと輝いていた。街のアスファルトには、晴れ晴れとした陽気な休日を存分に楽しもうと外へ出てきた人々の影が、あちらこちらに行ったり来たり、伸びたり縮んだりしていた。主人と寄…