思考のかけら

日々頭に浮かんだことを、徒然に雑然と書いていきます。

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

屋根の上の小鳥たち

工場の屋根にとまる小鳥の群れを見た。下から見上げる限りでは、屋根の縁にとまる姿しか確認できなかった。おそらく雀だろうが、それすら定かではない。 彼らが騒がしく鳴く声が聞こえる。いや、騒がしいと感じるのは、心にゆとりのない者だけだろう。そうで…

老師との対話「種蒔き④」

老師 いやはや、ありがとう。君からこんなに長い演説を聞けるとは思っていなかったから、少し驚いてしまったよ。しかし君としては、私を驚かしてやろう、というよりは、早いところ自分の考えを言い切ってしまって、出来る限り速やかにこの場を後にしたいと思…

強風と少年

とても風の強い日のことです。ある心優しい少年が一人で街を歩いていました。 歩道の脇には、強風に倒された自転車が沢山地べたに寝そべっていました。周りには沢山の人が歩いていたのですが、誰一人として自転車を起こそうとはしません。少年は不思議に思い…

女たちのバレンタイン

明美の働く部署は、男性2人に女性3人の、合計5人で構成されている。その女性のうちの1人が、ここでは係長を務めている。もう1人の女性は、明美より2年先輩の、智子である。そして明美は、去年の春に入社したばかりの新入社員である。 2月14日のことである。…

老師との対話「種蒔き③」

若者 はい、まだあります。抜け落ちていた第二の点は、その種が蒔かれる土地の種類への言及です。 先程は種の種類について触れましたが、それら多種多様な種と同様に、種を受け取る土地もまた多種多様であるということです。 一口に土地と言いましても、それ…

老師との対話「種蒔き②」

老師 どんな重大な点を見落としていただろう? 若者 それを取り上げる前に確認しておきたいのですが、種蒔き人によって蒔かれる種というのは、まさしく教育者が施す知恵のようなものと考えて間違いないでしょうか? 老師 もちろん私もそのように考えているよ…