思考のかけら

日々頭に浮かんだことを、徒然に雑然と書いていきます。

2017-01-01から1年間の記事一覧

すれ違い方

前方からやってきた人とすれ違うとき、お互いに進路をずらそうとすることにより、図らずも相手の進路を妨害してしまうことがある。妨害時にはお互いに体を左に一振り、右に一振りして、合わせ鏡のように同じ動作をする。この動作をすることで思わぬ友情が芽…

自殺の名所

名所という言葉には、有名な場所、という意味がある。自殺するにも有名な場所があり、その場所はしばしば「自殺の名所」と呼ばれる。 「自殺の名所」と呼ばれる場所には、一体どんな特徴があるのだろう? まず最低条件は、その場所での自殺者が多い、という…

スーパーの左回りと右回り

私はほぼ毎日近所のスーパーに通っている。その日の晩御飯のことは、そのスーパーに行ってから判断する程度には頼りきっている。今日もいつもと同じスーパーに寄って帰ってきた。 いつも何の気なしに店内を回っていたが、最近その回り方について考えていた。…

無限の数字

数字というのはとても便利でわかりやすいものだ。これを見れば自分がどれだけのものを持っているか、相対的にどこに立っているのか、ある程度把握できたりする。 試験の成績は数字で示されることがほとんどである。仕事の成果も、必ずしも反映されるとは限ら…

本の読み方

本を読んで、全体の要約やあらすじを書くことがしばしば推奨される。学校の国語の授業でもそれを求められてきたし、私もそれを長い間大切なことだと思ってきた。 確かに全体の枠組みを捉えることは、一つの体系として把握するために有効だと思う。人に本の内…

私的名画⑥ ルノワール「二人の姉妹」

自分のための備忘録として、好きな絵に対する思いを残しておこう。今回で私的名画に関する記事は終了である。 本日掲載するのは、ルノワールによる「二人の姉妹」である。 私はこの絵の詳細は何も知らず、この姉妹が誰なのかも知らない。ただいつも純粋に「…

独白 一人旅の心得

周りを気にして被っていた仮面が取り払われ、幼い子供の頃の自分に立ち返りつつあります。精神的には大人になり、円熟には確実に向かっていると感じる一方で、人生で一貫して保つべき姿勢は、混じり気のない純粋な子供心にあると感じています。 以前の私は、…

失恋の弊害

恋愛は誰もが経験するべきもので、時には手痛い結果である失恋も、人生経験においては大切なことだと言われることがある。これには私も賛成である。これほどに幸福と絶望が凝縮されるイベントは、恋愛を置いて他にはないのではないかとも思える。 しかしあら…

思うところあって

自分の方針を転換したり、環境を変えたことを人に報告するにあたり、「思うところあって・・・」という表現が使われることがある。私はこの言葉を以前からたびたび目にし耳にし、思わず格好つけて真似してみたくなったりもするのだが、よくよく考えてみると…

シーソーの上の恋人たち

私は男女の恋愛関係を、シーソーのようなものとして捉えている。今日はそれについて、自分の考えをまとめておきたい。 ここで一組の男女と一つのシーソーに登場してもらおう。 女がすでにシーソーに座っている。誰か早く来ないものかと待ちかねている。女は…

私的名画⑤ ゴッホ「最初の一歩」

自分のための備忘録として、好きな絵に対する思いを残しておこう。 本日掲載するのは、ゴッホによる「最初の一歩」である。 一家族の穏やかな日常風景が描かれている。 画題からすると、この子はようやく歩き始めた頃だろうか。すでに母の前で歩く姿を見せて…

自転の認識

月が大きく美しく見える秋の季節は、私のお気に入りである。昨日も夜空に浮かぶ大きな月に見惚れていたのだが、その際に次のような一つの事実に気づいた。 それは、「私は自転を認識できていない」という事実である。 私の立つこの地球は自転しているらしく…

一日だけ生きたあの子へ

お前が生まれたあの日、空には雲一つなくて、太陽がきらきら輝いていたよ。 あんなに晴れた空を見るのは初めてだったかもしれない。 お前にも見せてあげたかったな。 お前は予定よりもかなり早く生まれたね。 お前の母さんはせっかちだけど、やっぱりお前も…

料理の感想を述べる前の唸り声

食事の際に料理の感想を求められた人の姿を思い返してみると、多くの人が感想を述べる前に「ん~!」と唸り声を発していることに気づいた。 料理のレポート番組でも、一般人の日常の食事風景の中でも、同じ現象が見られる。 そしてこの現象は、それほど親し…

学校教育と個性

最近の学校教育では、子供の個性を伸ばすことに重点を置いて取り組んでいるようである。 子供達一人一人の個性を見極め、それを伸ばしてあげる教育をしなければならないという。 学歴偏重の学習から解き放たれる方策を、様々に打ち出しているという。 私とし…

煮るか焼くかの選択

「煮るなり焼くなり好きにしろ」という言葉がある。 追い詰められてもはや成す術もないとき、両手を挙げて言う台詞のようである。 私のこれまでの人生では、それほどまで人に追い詰められたことはないし、追い詰めたこともない。 しかしこの先の人生でそのよ…

文章化以前以後

自分の思いを文章にして書いていると、あやふやでまとまりのなかった頭の中から言語化できる要素が搾り出されて、脳が少しずつすっきりしていくのを感じる。 日々の思考の跡を振り返ってみると、自分の歴史のようにも思えて少し嬉しくなる。 しかしそれと同…

さよなら先輩

私がここに来てから、たくさんの季節が過ぎて行きました。 今私が座っている席は、私が初めてここに来た時にあなたが座っていた席です。 これまでたくさんの人が出入りして、その度に少しずつ席も替わっていきましたね。 季節も巡って、ついにあなたの出て行…

私的名画④ ブリューゲル「バベルの塔」

自分のための備忘録として、好きな絵に対する思いを残しておこう。 本日掲載するのは、ブリューゲルによる「バベルの塔」である。 非常に有名な絵で、多くの人はこの絵を見れば「バベルの塔」だと判別できる。 今年は国内でバベル展が開かれ、大いに賑わって…

カテゴリー化前提の思考

記事をネット上で書き始めて、もうすぐ一ヶ月ほどが経とうとしている。 過去に思いつくままに書いた記事を見返してみて、整理のため各記事にカテゴリーを与えるのがよいのではないか、とふと考えた。 しかし、これについては少し思いとどまることにした。 記…

酒の席での餌探し

飲み会などの酒の席では、誰もが「餌」を探している。 ここで言う「餌」とは、文字通りの意味と比喩的な意味を含んでいる。 それほど友好的な関係ではなく、かといってその後の人間関係を考えるとあだおろそかにはできない場では、餌探しの傾向はとりわけ顕…

選挙における候補者氏名のひらがな表記

先日は台風の中選挙が敢行された。 夜中に唐突に選挙の「選」の文字に心惹かれてブログにメモを残してしまったが、他にも印象に残るものがあった。 小選挙区選挙における候補者氏名である。 候補者の名前を見てみると、ひらがな混じりの名前が多数を占めてい…

メモ 選挙の「選」の字

今日は選挙の日だった。 「選挙」という字を眺めていて、「選」の部分が気になった。 この漢字の一部である「己」の部分を「巳」として一本線を引っ張って見てやると、人が二人仲良く肩を組んで馬に乗っているように見える。 全く深い意味も根拠もないが、書…

賞賛と批判

何かを成し遂げて誰かにその成果を見せるとき、私たちは何かしらの評価を受ける。 私が何かの評価を頼まれた時、「よかったよ」などとテキトーに言葉を返す時がある。 「よかったよ」と評価するときは、大抵の場合ほとんど何も見ていない。細かく評価するの…

私的名画③ グリムショー「Evening Glow」

自分のための備忘録として、好きな絵に対する思いを残しておこう。 本日掲載するのは、グリムショーによる「Evening Glow」である。 一人の女性が並木道を歩いている。 題名から察するに、時間帯はおそらく夕暮れ時だろう。 辺り一面が夕日に満たされ、遠い…

「曜日」による理解

誰かと何かを約束する際には、いつどこで、という点を確認する。 「何月何日」という点は必ず確認される重要事項である。 しかし、約束の際に「何月何日」という点だけを確認されると、私は少しだけ不安になる。 そこに「曜日」に関する情報がないと、約束の…

一匹ずつ現れるゴキブリ

ふとゴキブリのことを考えてみると、奴らの生態には不思議な点があることに気づく。 家の中で奴らが現れる時、必ずと言っていいほど一匹ずつ現れる。 一匹のゴキブリがいれば他に何匹も潜んでいるというけれど、リアルタイムに目の前に現れるのは、私が経験…

使い込まれた古本

誰の手垢もついていない新品の本と、誰かが読んだ後に売られる古本とがある。 大型の書店に行けば大抵の場合、新品の本が置かれている。 まだ誰にも読まれておらず、手垢もついていない綺麗な新品の本を手に取ると、新鮮な気持ちで心が躍る。開かれ慣れてい…

石の上にも三年

初めて就職した仕事は、「石の上にも三年」の諺により、とりあえず3年は続けるべきだとの意見がある。 3年間の経験とはそれほど重要なものなのだろうか。 就職1年目から3年目までの経験とはどんなものなのか、各年次に細分化して考えてみたい。 【1年目…

媚びによる横顔の消滅

画家や歌手、漫画家や作家等に代表されるアーティストは、ファンを獲得することで長期間の安定した活動が可能となる。 知名度の上昇に伴い、ファンの数もどんどん増えていく。 アーティストの側から「ファンになってください」とお願いするのではなく、勝手…